ー糖質制限の教科書ー
糖質制限ダイエットのことを知ってはいるけど「よく分からない」って人も多いのではないでしょうか!?
”低カロリーや低脂肪ダイエット”とまったく違う方法なので、まずは糖質制限で痩せる「しくみ・効果・欠点」など全てを解説します。
いろいろなダイエットをしても痩せなくて悩んでいる方は、ぜひ読んで試してみてください。
目次
糖質制限ダイエットとは
今までのダイエットでは「摂取カロリーと消費カロリー」だけに注目していましたが、糖質制限ダイエットではカロリー制限はしません。
からだのメカニズムを利用して”つねに脂肪を燃やす”というダイエットなのです。
糖質制限ダイエットは、
- 糖質以外なら、何でも食べて良い
- カロリーはしっかり摂る
- 3食抜かずに食べる
- お酒も蒸留酒なら飲んでいい
- 食物繊維とビタミンCに気をつける
などが、基本的なポイントです。
「食べるダイエット」と呼ばれ、基本的にカロリー制限はありません。ただし、普通の食事からごはんやパンを抜くだけでは”カロリー不足”になりやすいので注意が必要です。
糖質制限ダイエットはしっかり食べないと成功しません。
ーー糖質制限ダイエットのはじまり
この糖質制限ダイエットは「ロカボ、アトキンス式ダイエット、低糖質ダイエット」などさざまな呼び方がありますが、起源はアメリカ人医師の”ロバート・アトキンス”が考案したダイエットの方法なのです。
1970年代にアメリカで発表され、2003年頃にブームとなり食品業界の混乱をまねくほどでした。現在は日本でもメディアやネットで”食べるダイエット”と話題になっています。
ーー糖質について
”糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたもの”です。炭水化物に多く含まれており体内でブドウ糖となります。
ブドウ糖は人間の主なエネルギーと言われていますが、主に筋肉と肝臓に少量しか蓄えることができないので、余ったブドウ糖は脂肪として体に蓄えられます。
糖質制限ダイエットのしくみ
糖質制限で”痩せるしくみ”を知っておかないと、まずこのダイエットは成功しないでしょう。
しくみを知るために「なぜ糖質を制限するの?」から解説します。
ーー糖質を制限する理由
- 血糖値を上げないため
- インスリンを追加分泌させないため
- ケトン体回路にするため
この3つのために糖質を制限するのです。理由を詳しく説明していきます。
血糖値とインスリン
★血糖値を上げない
★インスリンを追加分泌させない
多くの人は血糖値という言葉を知っていても「血糖値とインスリンの関係」を理解している人は少ないと思います。
血糖値とは血液内のブドウ糖濃度のことで、食事で炭水化物(糖質)を摂ると上昇します。
かんたんに言うと「ごはんやパン、麺類」を食べると血糖値がグッと上がるということです。
ーー血糖値とインスリンの関係
- 糖質を摂ると血糖値が上昇
- インスリンが血糖値を下げる
このように血糖値が上昇するとインスリンが追加分泌されて、一定の血糖値まで下げる働きをします。
血糖値を下げるには血液内のブドウ糖濃度を減らすしかないのですが、インスリンは筋肉などで使われなかった余分なブドウ糖を脂肪細胞に蓄えて血糖値を下げるのです。
これが「中性脂肪として脂肪細胞に蓄える」→”体脂肪が増える”メカニズムなのです。
太るとは「血糖値とインスリンの関係」で起きる現象だったのです。
糖質を摂らなければ血糖値も上がらず、インスリンも追加分泌されないのです。
つまり「血糖値を上げない 、インスリンを追加分泌させない」なら、体に脂肪を蓄える機能が働かないのです。
ケトン体回路について
★ケトン体回路にする
ふつう人間は「糖質(炭水化物)」からブドウ糖をつくりエネルギーとして活動しているのですが、ブドウ糖が少なくなると脂肪を燃焼させてエネルギーをつくり出します。そのエネルギーを”ケトン体”といいます。
ケトン体をつくるために体内の脂肪を燃やし続けているメカニズムが「ケトン体回路」です。
このケトン体回路が働けば「つねに体内の脂肪を燃やしている」状態なので、効果的に脂肪を減少させダイエットにつながるのです。
ケトン体回路が働いている状態では体内の豊富な脂肪がエネルギー源なので、長時間の運動でも動き続けることができ、最近はスポーツ選手でも実践している人が増え始めています。(サッカーの長友選手など)
ケトン体回路をつねに働かすには体に糖質が無い状態にする必要があり、1日に摂取する糖質を60g未満に抑えるのが理想です。
*以前は脳にはブドウ糖しかエネルギーに出来ないといわれていましたが、最近ではケトン体もエネルギーとして使えることが分かってきました。
しくみのまとめ
糖質制限ダイエットはからだのメカニズムを利用したダイエット方法です。
- 血糖値を上げないのでインスリンが追加分泌されず、タンパク質や脂質をいっぱい食べても脂肪として蓄えられない。
- 糖質を制限するのでブドウ糖が無くなり、代わりに体内の脂肪を燃焼させてケトン体というエネルギーで活動する
つまり、
この2つで効率よく痩せることができるのです。
ダイエット効果など
糖質制限ダイエットでの主な”ダイエット効果”などについて説明します。
- 短期間で痩せる
- 体脂肪を落とせる
- リバウンドしにくい
- 美容に良いダイエット
- 筋トレと相性がいい
短期間で痩せる
1ヶ月間でも効果がでます
他のダイエットと大きく違うのは、”短期間で減量できる”ことです。
体内の脂肪を燃焼してエネルギーにしているので体脂肪が減少するのはもちろんですが、糖質(炭水化物)を摂らないので炭水化物に結合していた水分が2,3日で抜けて、それだけで数㎏の減量ができるのです。
開始直後に数㎏も痩せることができるので、モチベーションが上がりダイエットを続けやすくなります。
しっかり糖質制限できれば、3ヶ月間で5~10㎏ほどは減量できると思います。
体脂肪を落とせる
すぐにおなかスッキリ
”脂肪を蓄えない、つねに脂肪を燃焼する”ダイエットなので短期間で体脂肪が減少します。とくに内臓脂肪は皮下脂肪より早く減少するので、日に日にお腹がスッキリしてきます。
内臓脂肪が減少すると体が動かしやすくなり驚くことでしょう!
リバウンドしにくい
筋肉量の減少が少ない
糖質制限ダイエットは比較的リバウンドの可能性が低い方法です。理由は適正なカロリー摂取とタンパク質摂取をするので(しっかり食べれるので)筋肉量の減少を最小限に抑えることができ、基礎代謝をあまり下げないからです。
人間は基礎代謝が消費カロリーの大半を占めるので、基礎代謝が下がりやすい”低カロリーダイエットや断食ダイエット”はリバウンドの可能性が高くなるのです。
糖質制限ダイエットは基礎代謝を下げ過ぎないのでリバウンドしにくいのです。
美容に良いダイエット
タンパク質不足にならない
ダイエットの大敵は栄養バランスの乱れでおこる”肌荒れや髪の毛のトラブル”ですが、多くがタンパク質不足(コラーゲン不足)から起こると考えられます。
しかし糖質制限ダイエットは”タンパク質・脂質”をしっかり食べるダイエットなのでカラダをつくる栄養素の不足になりにくいのです。なので、肌のハリや髪の毛のツヤが無くなることはありません。
ただし、果物などが食べれないのでビタミンC不足になりやすいので、サプリメントなどで補う必要があります。
筋トレと相性がいい
筋肉がつきやすい
減量だけでなくボディメイクのため「筋トレ」も、相性が良いいのでおすすめです。
筋トレには欠かせない”タンパク質”をしっかり摂ることができるので筋肉を成長させやすく、またカロリー不足で「筋トレに集中できない」ってこともありません。
痩せるだけでなく「スタイルも良くしたい」したいなら糖質制限ダイエットと筋トレを合わせるのがいちばん効率的です。
*ただしボディービルなど本格的なバルクアップ(筋肥大)を狙うなら、炭水化物が必要になるので増量期と減量期を分ける必要があります。
糖質制限の欠点
糖質制限ダイエットにもやはり欠点があります。とくに”ごはん”が好きな人には向いていないかもしれません。
日本人はお米が好き
やはり「お米が食べれないのが一番キビシイ」という意見が多数です。”ごはん”を食べないと食べた気がしない人は”感情的に無理”でしょう。これは空腹感とはまったく別で”習慣的”なことですが抑えきれない人は案外多いと思います。
日本人は感覚的に「食事=お米」なので、このイメージを断ち切ることが重要となります。
食費の問題
食費の増加も一つの欠点です。ご飯やパンを主食にすると簡単なおかずで済ますことができるのですが、タンパク質と脂質を中心にすると”肉類や魚、たまご”中心の食事になってしまうのです。
鶏のササミやムネ肉ばかりを食べ続けると飽きてしまうので、必然的に牛肉やハム、ソーセージなどになるのですが…、これが地味に食費を高額にしてしまうのです。
理解することが必要
みなさん”高カロリーや高脂肪の食品”は知っていても、”糖質”のことを知らない人がほとんどです。私も糖質制限ダイエットするまでは糖質なんて気にしたことがありませんでした。
まずは”糖質”を知る必要があります。
食品の一例では、
- はるさめ→糖質が多いのでダメ
- りんご→糖質、果糖が多いのでダメ
- チーズ→いっぱい食べてもOK
- マヨネーズ→たっぷりかけてもOK
などで、一般的にヘルシーと言われる”はるさめ”がダメで、カロリーが高い”マヨネーズ”は食べても大丈夫なのです。
感覚的に間違いやすいのは「低カロリーと糖質の関係」です、低カロリーと糖質にはまったく関係がないので注意が必要です。食品の購入は成分表を見ながら決めるクセをつけましょう。
”低カロリーが良い”という考え方が糖質制限の邪魔になるので、最初にカロリーのことは忘れてしまいましょう。
よくあるQ&A
ーー回答
1970年代からアメリカなどで多くの人が糖質制限ダイエットを成功させています。すべての人に安全とは言えませんが、現在でも多くの人が実践しており結果を出しています。
体調に不安がある方は医師に相談してから初めて下さい。
ーー回答
以前はそのように言われていましたが、現在は研究によって”ケトン体”も使えると分かっています。また”糖新生”という機能で糖質制限中でも体内で糖質をつくりだすことができます。
ーー回答
腎機能の低下している人や、現在インスリン注射なのどの治療中の方は医師に相談が必要です。心配な方はまず医師に相談をしてから始めて下さい。
ーー回答
ダイエットの方法には個人により”合う合わない”もあるので、すべての医師が一つの方法をすすめることはないと考えます。日本で糖質制限を勧めている医師では江部康二先生が有名です。
最後に
このサイト「Dietのタネ」では糖質制限を勧めていますが、これが唯一のダイエット方法だとは考えていません。
しかし、今まで「糖質制限」という方法を試していないのなら、ぜひ試して頂きたいのでご紹介しています。また、何となく分かっているつもりで失敗しないように細かなアドバイスができる記事を増やしていきます。
じつは、私もダイエットをしてはリバウンドの繰り返しでした。しかし、ふとしたきっかけで糖質制限ダイエットを知り、今は希望のスタイルにすることができました。
本当にスルスルと5㎏以上痩せれて大興奮したのを今でも覚えています。
この記事が、
あなたの”痩せるきっかけ”になれば幸いです。